【Piglets】マイクロブタ飼育のリアル:ネットの情報だけではわからない、本当に大切なこと
「マイクロブタと暮らす」という夢、とっても素敵ですよね。SNSで見る小さなブタさんたちの愛らしい姿に心を奪われ、「私もいつかお迎えしたい!」と思っている方も多いのではないでしょうか。
しかし、その一方で、マイクロブタの飼育には、インターネットで手に入る情報だけではわからない、深い「リアル」が存在します。このブログでは、安易な気持ちで飼育を始めないために、そしてマイクロブタとの幸せな暮らしを実現するために、知っておいてほしい本当のことをお伝えします。
1. 「マイクロ」ブタって、本当に小さいの?
まず、一番多くの人が誤解しているのが、マイクロブタの「サイズ」です。
インターネットやメディアでは、「ティーカップサイズ」「成人しても20kg以下」といった情報が流れています。しかし、これは、成長途中のブタさんの姿を指している事があります。ブリーダーに産みの親(3歳以上が理想)を見せてもらいましょう。インターネットの情報より見て確認する事が大切です。
実際のところ、マイクロブタに明確な品種やサイズの定義はありません。40キロ以下がマイクロブタです。とは誰かが勝手に言い出したものです。
- 成長には個体差がある:遺伝的な要素、食事、運動量などによって、成長後の体重は大きく異なります。中には、40kg、50kg、あるいはそれ以上にまで成長する個体も珍しくありません。
- 生後1年で成豚ではない:ブタは、生後2年〜3年かけてゆっくりと成長します。生後1年で「もう大きくならない」と判断するのは早計です。
- 「ブタ」であるという事実:マイクロブタも、もともとは家畜として改良されたブタの一種です。ブタは本来、大きく成長する生き物です。その事実を無視してはいけません。
「可愛いから」「小さいから」という理由だけで飼育を始めると、想像以上の大きさに戸惑い、飼育放棄につながるケースも少なくありません。マイクロブタは、「子犬サイズがずっと続く」ペットではないのです。
2. インターネットの情報を鵜呑みにしてはいけない理由
マイクロブタに関する情報は、ブログ、SNS、YouTubeなど、さまざまな場所で手に入ります。しかし、それらの情報には、以下のような落とし穴が潜んでいます。
a. 「成功体験」だけが共有される傾向
販売店やブリーダーのSNSやブログでは、どうしても「可愛い写真」や「楽しいエピソード」といった、飼育の成功体験が中心に投稿されがちです。しつけがうまくいかないこと、病気の不安、想像以上の出費など、大変なことや失敗談はあまり表に出てきません。
b. 専門家ではない個人の情報
インターネットの情報発信者は、ほとんどがペットとしてマイクロブタを飼育している個人です。ブタの生態や病気に関する専門知識を持っているわけではありません。中には、不適切な飼育方法や、間違った情報を無意識に拡散しているケースも散見されます。
c. 情報の断片化と偏り
ネットの情報は、特定のテーマ(例:「トイレのしつけ方法」)に特化したものが多く、飼育全体を俯瞰して理解することは困難です。断片的な情報だけを頼りに飼育を始めると、全体像を見失い、問題が発生したときに対応できなくなります。
3. マイクロブタ飼育の「リアル」にどう向き合うか
インターネットの情報は、あくまでも参考程度に留め、以下の「リアル」な課題に正面から向き合うことが大切です。
a. 医療環境の確保
マイクロブタを診てくれる動物病院は、日本全国にまだ非常に少ないのが現状です。近くに診察可能な病院がない場合、長距離を移動したり、緊急時に適切な処置を受けられないリスクがあります。お迎えする前に、必ず近隣に診察可能な動物病院があるか、そして専門知識を持った獣医師がいるかを確認してください。
b. 鳴き声と騒音問題
ブタは、感情表現が豊かで、個体によってはご飯の前に大声で鳴なく子もいます。犬ほどの大声ではありませんが食事を催促する、不満を訴える声など、様々な声を発します。集合住宅で飼育する場合、近隣住民との騒音トラブルに発展する可能性も十分に考慮しなければなりません。
c. 驚くべき知能と破壊行動
ブタは犬以上の知能を持つと言われています。その賢さゆえに、退屈を感じると、家具を齧ったり、壁紙を剥がしたり、家の中を荒らすといった破壊行動に出ることがあります。しつけは非常に重要ですが、それでも防ぎきれないこともあります。家の中をブタ仕様に改修する必要があるかもしれません。
d. 食事と体重管理
マイクロブタの健康管理には、適切な食事が不可欠です。しかし、ブタは非常に食いしん坊で、食べ物への執着が強い生き物です。肥満になりやすく、食道や心臓、内臓の圧迫関節炎や内臓疾患などの病気を引き起こすリスクがあります。また太り過ぎていると手術中に亡くなってしまう事もあるため手術を拒否されるケースがあります。ブリーダーと連携して、適切な食事プランを立て、厳格な体重管理を行う必要があります。
4. 信頼できる情報源を見つけるには
インターネットの情報だけでは不十分です。マイクロブタの飼育を真剣に考えているのであれば、以下の方法で、信頼できる情報を得る努力をしましょう。
- 専門のブリーダーに相談する:信頼できるブリーダーは、良い面だけでなく、大変な面も正直に話してくれます。実際にブリーダーの元を訪れ、親ブタのサイズや性格、飼育環境などを自分の目で確認しましょう。
- 実際に飼育している人の生の声を聞く:SNSやブログだけでなく、ブリーダーが主催する交流会や、同じマイクロブタを飼っている人と直接会って話を聞く機会を探しましょう。その際には、良い話だけでなく、苦労したことや失敗談も積極的に質問してみましょう。
- 動物病院に相談する:マイクロブタの診察経験がある動物病院はかなり少ないですが、獣医師に飼育の注意点やリスクについて相談するのも非常に有効です。太っていると手術が危険な事を知っている獣医がオススメです。
最後に
マイクロブタとの暮らしは、想像を絶する喜びと、それを上回るほどの責任が伴います。YouTube動画で間違ったマイクロブタの飼い方等をしている人も多々います。フォロワーが多いからと信じないで下さい。またGoogleで検索上位だから本当の情報と思わないで下さい。大手のホームページに書いているから本当だと思わないで下さい。獣医だから本当とも思わないで下さい。マイクロブタを診て下さる獣医の先生は基本的に養豚の知識です。ペットとしての飼い方とは別である事も多々あります。マイクロブタのブリーダーを常に連携している獣医さんがオススメです。
安易に「ネットで調べて」と判断せず、獣医やブリーダーに相談する事が大切です。
このブログが、あなたのマイクロブタとの未来を考える上で、一つの羅針盤となれば幸いです。
マイクロブタは、かけがえのない家族です。その小さな命を、あなた自身の手で守り、幸せな一生を過ごさせてあげられるかどうか、それが最も大切なことです。
投稿者プロフィール

- 福岡県でマイクロブタのブリーダーをやっています。ブリーダーからの直接販売もしていますのでお気軽にお問合せ下さい。マイクロブタの飼い方などを常に発信しています。
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福岡でマイクロブタのブリーダー直接販売をしている今林万作です。
ブタさんに日々たっぷり愛情を注ぎ込んで育てています。
飼い方、ご飯の量など何時でもお気軽にご相談下さい。
好きなこと:水泳、スノーボード、ウェイクボード、ダイビング、運転、登山、読書、旅、キャンプ、バイク、ビール、ビール(2回書きましたよ)水上バイク、キャンピングトレーラー生活、動物、仕事、釣り、中国語の勉強、美味いご飯。乗馬(予定)
名前:今林万作
産まれ:1975年(昭和50)
干支:豚年
星座:かに座
血液:AB型



